上司は、「別の教室から授業をしてください」と言った

12月20日Illustratorセミナーを行ないました。

「Pentool Seminer すぐに達人になれる!」

ペンツールが苦手な受講生が多いので、基本操作と描画時のコツを1時間半みっちりと講義しました。
もちろん1時間半で達人になれる訳はない。でも、時間を掛ければ上手くなるという人が多いがそんなことは絶対にない。せいぜい2週間もあればいいんじゃないだろうか。
「時間掛ければ、掛けただけ上手くなるから」というのは、上手く教えられないいい訳にしか聞こえない。

しかし!!

今回のセミナーは、ある実験も同時に行わないといけないのであった!!


学校からの指令は、私はそのセミナーを実施している教室には居ず、別の教室から講義をすること。喋るだけの理論系の授業や講演であればまったく問題ないが、Macを使った授業で講師がそこにいないなんて!
あらかじめ、レジメやデータは配布したものの、まったくどうなるかひじょうに不安。

環境は、こちらの映像や音声はiChatjabberサーバを運用)でセミナー教室に送信、Apple Remote Desktopによる遠隔操作でセミナー教室の講師マシンを操作(講師マシンの映像は分配機で受講生のサブモニタに表示)、受講生からの質問などはiChatのテキストチャットで対応という体制。

受講生はサイドモニタに講師マシンが見えているのはいつもの授業と同じ、講師マシンが受講生側を向いていてそこに私がムービーChatで映っていて喋っているんだから、いつもの環境とあまり変わらないとも言えなくはない。

しかし私の方は、受講生の顔がみれないのでリアクションがわからない、自分で喋った声がどの程度の音量かわからない、受講生のマシンの画面はRemotoDesktopでこちらのマシンに表示されるもののこちらはMacbookなので表示が小さく1台ずつ表示しないと確認できないという、わからないづくしなのである。
とりあえず、与えられた環境のなかでは精一杯やったつもりなんだけどリアクションがないので何がどう伝わったのかの実感がないのが非常にもどかしいセミナーとなった。

セミナー後のアンケート結果では割と満足してもらえたのがわかったし、サポートに入った上司からも予想以上の高評価があたえられたのだが、やはりその場のやり取りができなかったので達成感がまったく生まれなかった。

今回の実験でわかったこと。

  • やっぱり授業はライブがいい
  • 理論系の授業では遠隔授業もいけそう(エキスパートや検定など)
  • 講師マシンからの音声出力ではなく、ちゃんとしたスピーカーが必要
  • チャット用と遠隔操作用の2台のマシンが、遠隔場所とセミナー教室にそれぞれ必要
  • 遠隔自体は受講生へのメリットがないので、受講生へのメリットが付加される必要がある(重要!)
  • 途中入場(遅刻)は厳禁
  • 4〜5名のセミナーであれば、それぞれの受講生マシンとムービーChatを使ってレクチャー可能かも
  • 今回のようなセミナーであれば、目的を絞った内容にしないと受講生が集中できない
  • 高性能なWebカメラで教室を表示して、講師側に教室の様子がわかるようにしたい

などなど。


まぁ〜、1回目の実験なので課題も多く見えてきましたが、可能性も見えてきたと思っています。
やる前は、やっぱり授業はライブが一番でオンデマンドや遠隔授業はコスト削減にはなるがどうしても授業の品質が落ちると思っていました。たしかにコストと品質は正比例する面はもっていますが、オンデマンドや遠隔授業でも需要に対してきちんとマッチさせたコンテンツを準備して、ハード・ソフト面の体制はもちろん、エンターテイメント性を持たせたりすることで受講生のスキルに合わせた「適度な負荷」が可能なのだと思います。
ライブなのか、遠隔なのか、オンデマンドなのかではなく「教える技術」をどうシステムとして高めていくかが大切なんですよね。[][rakuten:jism:10245493:detail]