【ゼミ】就職作品ゼミをやっています

去年から学校で「就職作品ゼミ」というクラスを担当しています。
E先生と私の2人で、受講生がちゃんと就職できるポートフォリオを作れるように育てないと、講師としてウソになるだろうと学校とかけ合って始めました。
 
基礎クラスでオペレーションや印刷知識を勉強して応用講座を受けても趣味の領域の作品しか作れない受講生も多く、それで就職活動してもロクなところで働ける訳もありせん。
このところの不景気もあって1名の求人に100名以上が応募してくることも多いそうです。
美大出身や専門学校の卒業生と戦って勝たないと採用されない現状を受講生は(もちろん講師も)きちんと把握するべきです。
 
40ページのポートフォリオが完成していないなら就職活動をしないほうがいいです。
準備ができずに活動しても採用される方がおかしいですから、しっかりとポートフォリオ作りに専念すべきです。
 
年に2回のイベントで就職されている卒業生をお呼びして座談会みたいなイベントがあるのですが、デザイナーという肩書きは持っていても仕事のほとんどは指示通りに紙面にコンテンツを並べるオペレーターでしかない場合がほとんどです。
なぜ、このようになってしまうのでしょうか?
オペレーションや印刷知識がそれなりに身についても、デザインする力がない状態で就職活動をすると就職先はオペレーターに寄った会社に偏ってきます。
オペレーターが悪いと言う訳ではもちろんありません。知り合いのオペレーターの方は私より3倍くらい速く作業が終わりますし、アプリケーションなどの知識も勝てません。
オペレーターとデザイナーは全く違う業種だということです。
オペレーターをしていればそのうちデザイナーになれるという人がいますが、それはオペレーターとほとんど違わない作業をしているデザイナーになれるというだけのことです。
 
きちんとしたポートフォリオを作るには相当の時間が掛かります。
早く仕事に就かないといけないのももちろん分かっています。
デザインは働きながら覚えていこうと考えている人もいるでしょう。しかし、それでは遅いと思います。
デザイン会社もさまざまで内容もレベルもピンキリです。
そして大切なことは、レベルの低い会社からレベルの高い会社に転職するのは、今の就職活動よりも更に難しいと言うことです。
年齢がいってしまうのももちろんですが、レベルの高い会社にとっては低い会社での勤務実績はプラスよりもマイナスに見られるでしょう。
センスがあってもレベルの低い仕事はセンスを曇らせていきます。
 
デザインのセンスを身につけ、クオリティとオリジナリティのあるポートフォリオを作って、きちんとしたデザイン事務所に就職できるようにゼミに参加している方々は努力しています。
 
Blogでもゼミでの活動などを紹介していきたいと思います。
ゼミのサイトも少しずつ作っていきますので、たまに覗いていただければと思います。
http://www.ad-mj.net/