「PRINT WORKS 版画工房の現場から」を観てきました

今日は授業が休みなので、赤レンガ倉庫1号館で開催されている「PRINT WORKS 版画工房の現場から」に、下の二人の子供を連れて行ってきました。
赤レンガ倉庫では、先日デジカメ撮影会で訪れた時に引き続き「フラワーガーデン2010」が行われていて広場に沢山の花が展示されていましたが、子供も花にはあまり興味がないようなので目的の1号館2階の展示スペースへ直行。
今回の展示会は秦野市にある「岡部版画出版」というシルクスクリーン版画の会社が行っている展示即売会で、草間彌生さんや横尾忠則さんなどの版画が展示・販売されていました。
11時頃に到着したのですが、人もまばらで「岡部版画出版」の方に話を伺いながら版画作品を観ることができました。
 






30分ほど版画を観ていると、子供たちはそろそろ退屈になってきたようで騒ぎ始めました。
しかし、大人しく観覧しているはずもない子供たちを連れていたのは13:30から始まる版画のワークショップに参加させようと思ったからなので、予約をして昼食を食べてから再び展示スペースへ戻ってきました。
 
展示スペースの一角に版画を刷る作業台が設けられていて、すでに10名ほどの参加者が集まっていました。日曜なのでもっと混み合うのかと思っていましたけどこんなもんなんですね。
岡部版画出版の方がシルクスクリーン印刷の仕組みをわかりやすく説明してくれました。子供にはさっぱり分からないと思いますが、一般の方は「なるほど」と何度も頷いていました。

 
まずは、版画のプロが2色の油性インキを混ぜながらキレイなグラデーションの印刷をデモンストレーションしてくれました。インキを混ぜてグラデーションを作るのはそれほど難しくはありませんが、作家の方からはグラデーションの幅や変わり具合の指示があったり、同じグラデーションを手作業で何十枚も同じものを印刷するのが難しいそうです。

 
それでは長男にも挑戦させてみます。今回はできあがっている孔版を使ってインキを盛ってスキージでインキを押し出すだけですが、結構力がいるのとスキージの角度を45°くらいに一定に保たないといけないので小学二年生には難しかったみたいです。

 
意外にキレイに刷れていますね。学校とかでスクリーン印刷を刷る場合には水性インキを使うことが多いようですが、プロの作品は油性インキを使うそうです。今回はちゃんと油性インキを使っているので乾燥に10分ほど待ちます。

 
続いて2版目のブラックインキの刷りに挑戦。きちんとトンボで位置合わせをしていました。スキージを引くことで紙は引っ張られるので0.25mmほど上に紙をセットするそうです。

 
最初は興味なさそうにしていた次女も挑戦しました。

 
完成した版画を持って記念撮影。二人とも満足そうです。

 
これで参加料500円ですから安いですよね。もちろん展示を観てもらって販売に繋げたいんでしょうが草間さんの版画などは30〜50万円くらいなので簡単には手が出ません。しかし、アウトレットコーナーがあって500〜10,000円ほどの作品もありました。落ち着いて観られなかったので購入は断念しましたが、オフセットで大量に刷られたポスターと違って1点1点手作りですし、スクリーンで刷られた油性インキの発色もすばらしいのでお買い得ですよね。
展示されている作家の作品は15〜25色くらい使われてる場合もあって、油性インキは乾燥に時間が掛かるので一つの作品が1年掛かりで刷られることもあるそうです。
 
今日は、子供に印刷を体験させてやろうとワークショップに参加しましたが、職人さんの技や手際の良さを見ることもできて楽しかったです。凸版印刷の「印刷博物館」でも定期的にワークショップを開催しているので、Macの画面上だけでなく実際の手作業で「刷る」体験することでデザインすることへのモチベーションも変わってくるかもしれません。